智頭の林間学校 ~木造校舎で学ぶ防災と暮らしの工夫~

旧山形小学校の校庭 自然と暮らす

木造校舎に泊まって防災体験

先日、鳥取県八頭郡智頭町で「智頭の林間学校」に参加してきました。

会場は昭和17年に建てられた旧山形小学校。

現在は廃校となっていますが、

クレコ・ラボ智頭研究所さんによって

宿泊施設として活用され、

防災体験を中心とした宿泊会が開催されています。

木造校舎の廊下
木造校舎の廊下は長さ80m。かつては3班に分かれて廊下の雑巾がけをしたそうです。
教室の黒板
教室は使われていた頃の名残がいっぱい。
木造校舎の階段
今でも生徒さん達の足音が聞こえてきそう。

木造校舎に泊まれるというだけでも、

子どもたちにとっては特別な体験です。

昔ながらの学校の雰囲気を味わいながら、

防災について体験を通して学べる、

とても魅力的な取り組みでした。

宿泊は体育館の中にテントを設営するスタイル。

防災体験と聞くと少し不便なイメージを持つかもしれませんが、

マットレスなどの寝具がしっかりしていて冷蔵庫もあり、

子連れでも快適に過ごすことができました。

防災を「体験」で学ぶ

智頭の林間学校では、防災に関する

さまざまな体験が用意されていました。

どれも「話を聞くだけ」ではなく、

体を動かして楽しみながら学べるものでした。

足こぎ発電機で電気をつくる

発電機で発生させた電気でスマホを充電
足でこぐ発電機。スマホを1%充電するだけでも大変。

まず挑戦したのが足こぎ発電機。

子どもたちが交代で一生懸命ペダルをこぎますが、

それでもスマートフォンをやっと1%充電できる程度。

普段はコンセントに差すだけで当たり前に使っている電気も、

自分の力でつくろうとすると想像以上に大変です。

「電気作るの疲れる…!」

そんなことを実感した子ども達でした。

薪割りをしてシャワーのお湯を沸かす

薪割りしてボイラーで湯を沸かす
自分たちで薪割りしてボイラーでシャワーの湯を沸かす。

次は薪割り体験です。

割った薪はボイラーで燃やし、シャワーのお湯を沸かします。

ただ薪を割るだけではなく「自分たちが割った薪でお湯が使える」という

一連の流れを体験できるのが魅力でした。

夜にこのお湯でシャワーを浴びましたが、

子ども達は自分の作業でお湯が沸いたことに喜んでいました。

除菌水づくりと防災食体験

そのほかにも、除菌水を作って野菜を洗ったり、

夕食に防災食を食べたりと、

普段はまずやらない体験が続きます。

除菌水で野菜を洗う
除菌水を作って野菜を洗う。
野菜を調理して夕食にする。
洗った野菜はカットしてアルミの使い捨て鍋で調理。

ちなみに夕食は防災食だけではありません。

今回は地元のシカ肉を使ったしゃぶしゃぶも用意されており、

大人も十分満足できる内容でした。

(食材は時期によって変わるかもしれません。)

防災体験をテーマにしつつも、

宿泊会として食事を楽しめる工夫がされていました。

シカ肉のしゃぶしゃぶ
地元で獲れたシカ肉のしゃぶしゃぶ

夜の学校ならではのイベント

夕食後は校舎の明かりをすべて消して肝試しです。

暗い廊下の先に置かれたマシュマロを取りに行くという、

子ども向けのかわいらしい内容。

とは言え、木造校舎の夜は想像以上に雰囲気があり、

大人でも少し緊張するほどでした。

夜の木造校舎
夜の木造校舎は消灯すると一気に肝試しの雰囲気に。

その後は「ジェットログ」という

薪と焚き火台を一つの丸太で兼ねる道具を使って

焚き火を楽しみました。

子どもたちは肝試しで手に入れたマシュマロを焼き、

大人はソーセージを焼きながらゆっくりとした時間を過ごします。

子どもだけでなく大人も楽しめる工夫が満載でした。

ジェットログでソーセージを焼く。
ソーセージを焼きながらのんびり焚火。

空き時間も自然が遊び場

夜も更けてきた頃、子どもたちと

校舎の横を流れる水路をのぞいてみました。

自然豊かな場所へ行くと、つい生き物を探したくなります。

ライトで照らしてみると、魚たちが眠っています。

以前、琵琶湖の水路で魚をすくった時と同じで、

夜は網で簡単にすくえます。なんとアマゴもいました。

「こんな水路にアマゴ!」と大興奮の息子。

校舎横の水路にいたアマゴ
校舎横の水路で捕れたアマゴ

もちろんこれは林間学校のプログラムではないのですが、

こんなことも簡単に出来てしまうのが

智頭の自然の豊かさだと思います。

翌朝は防災食で朝食をいただき、

チェックアウトまでの時間は、

スタッフの皆さんが竹トンボや玉入れなど

昔ながらの遊びを子どもたちに教えてくれました。

普段はゲームや動画など

たくさんの娯楽に囲まれている子ども達ですが、

こうした素朴な遊びにもすっかり夢中になっていました。

今あるものを使う、工夫して楽しむということ

今回の林間学校で一番印象に残ったのは、

「今あるものを大切に使い、工夫して楽しむ」という考え方でした。

廃校になった木造校舎を宿泊施設として活用し、

薪でお湯を沸かし、防災体験に学び、

昔ながらの遊びを子どもたちへ伝える。

決して豪華な設備があるわけではありません。

それでも、子どもたちは終始目を輝かせ、

大人も一緒になって楽しんでしまいました。

世の中には、お金をかければもっと豪華な

レジャーや宿泊施設がたくさんあります。

でも本当に大切なのは、

新しいものを次々と追い求めるだけでなく、

今あるものを上手に活かす、工夫することなのかもしれません。

その考え方は、子育てにも通じるように思います。

高価なおもちゃや特別なレジャーではなくても、

身近な自然や地域にあるものを活かせば、

子どもにとって忘れられない体験が生まれます。

智頭の林間学校は、防災について学べるだけでなく、

暮らし方や子育てのヒントまで教えてくれる場所でした。

この度は大変お世話になりました。

子ども達も「今度はいつ行く??」とすっかりお気に入り。

次回の予約を入れたのでリピーター確定です。

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